2019年3月29日(金)、メルシーでは初の試みとなる、リバティ・ファブリックスのシニアデザイナー、フィオン・グリフィスさんをお呼びしたトークショーを本店及び西宮阪急店にて開催いたしました。
フィオン・グリフィスさんは「Doe A Deer(ドウエィディア)」「Swirling Petals(スワイリングペタルス)」「Sky High(スカイハイ)」「Huckleberry(ハックルベリー)」「Ocean Treasure(オーシャントレジャー)」「Sea Foam(シーフォーム)」など、リバティ・ファブリックスの有名な人気柄のデザインを数多く手掛けている素晴らしいデザイナーです。
今回のイベントのために、フィオンさんご自身がデザインした柄の中から2柄を新しくカラーリングしていただき、また1柄はなんとメルシー本店のモチーフを特別に柄の中に描いてくださいました!
トークショーでは、今回デザインしていただいた特別な柄の紹介と、今後控えているコレクションについてお話していただきました。
まずはフィオンさんの仕事内容についてお聞かせいただきました。
フィオンさんがリバティ社のLiberty Design Studioで働き始めたのは約5年半前。今まで数々の刺激的なプロジェクトに参加して来られ、それらはフィオンさんの知識や経験を成長させてくれたそう。そんな伝統と革新を融合させているリバティ社で働いていることを誇りに思っているとお話してくださいました。
花のプリントが有名な中、新しいモチーフやテクニックに挑戦することにはいつもワクワクすると話すフィオンさん。インスピレーションを得るため、よくイギリス各地の庭園やフラワーガーデンを旅することがあるそうです。
花のデザインに加えて、リバティプリントのアーカイブには19世紀初頭にまで遡る膨大なカンバセーショナルデザインがあります。フィオンさんは生地を通して物語を伝えるという考え方が好きで、常に新しい物語を生み出すことが自分の務めであるとし、ケーキ、ロケット、海の宝物や恐竜など、各テーマに応じて多様な物語を生み出してきました。
フィオンさんは、今回のイベントのために特別に、メルシー本店のモチーフを、自身がデザインされた「スカイハイ」という柄の中に描いてくださいました。土台となった「スカイハイ」はロンドンの科学博物館の旅でインスピレーションを得たもの。そこにはたくさんの奇妙で素晴らしい科学的発明や発見があったそう。
メルシーの本店の美しく象徴的な様子をこの中に描くことで、遊び心のあるデザインに仕上げ、まるでエキセントリックなリバティと素晴らしいメルシーの店舗の関係性をお祝いしているかのように作りましたとお話してくださいました。
また、今回はこちらの柄に対して5つの配色を作成していただきました。この柄が持つ不思議な雰囲気を捕らえて、鮮やかなカラーのポップで細かいデザインができるよう特別な配色を作ったとのこと。フィオンさんのお気に入りの配色は青だそうです。
2018春夏柄に描かれた「ドウ・エィ・ディア」。今回のイベントのために4色をメルシーオリジナルカラーで製作していただきました。このデザインはフィオンさんの出身地であるイギリスのウェールズでの思い出の光景が描かれているそう。イギリスの原生の木々の間で戯れる動物たちののどかな光景に大いに影響を受けたそうです。皆さんもフィオンさんの頭の中の思い出を生地から感じていただけたら嬉しいとお話してくださいました。今回はそんな柄からメルシーオリジナルで4色をカラーリングしていただきました。
フィオンさんが何年も前のリバティプリントのアーカイブを研究する中で生まれたのが「スワイリングペタルズ」。この柄はリバティの伝統的なデザインに深く結びついていて、1930年代の美学を体現しているため、フィオンさんの個人的なお気に入りな柄のうちのひとつとなっているそう。今回はそんな柄を少し拡大して、メルシーオリジナルで4色をカラーリングしていただきました。
最後に、昨年のクリスマスにロンドンのリバティ百貨店限定で発売されたカプセルコレクションについてお話していただきました。詳細は来ていただいた方だけの秘密とさせていただきますが、日本でも今年のクリスマスに発売いたしますので皆様ぜひぜひお楽しみに。
事前にご予約いただいたお客様からお伺いしていた「フィオンさんに聞きたいこと」の中から数点質問させていただき、フィオンさんに回答していただきました。
Q リバティとの出会いについて教えてください。
高級服地の生産地として有名なイタリアのコモで、シルクを中心とした高級素材の会社に勤めていたときに、当時のリバティ社の社長であった女性の方からお電話でお仕事の誘いをいただいたことがきっかけです。パリで毎年2回開かれる世界でも最高峰の国際的なテキスタイルの見本市「プルミエール・ビジョン」にリバティ社が出展していて、そこでの作品を見て決心しました。
Q デザインのインスピレーションはどのようなときに湧きますか?
デザインのインスピレーションは色々なシチュエーションで浮かびます。音楽、映画、旅行など様々です。この間の夏にはポルトガルのリスボンに行ってたくさん写真を撮ってきました。
Q デザインするときは仕上がりの洋服などはイメージしますか?
あくまでテキスタイルデザイナーで、洋服のためや靴のためにデザインしているわけではないので、最終的なプロダクトのことを考えたデザインはしていないです。
Q 小さい頃から絵を描くことが好きだったのですか?子供のことからデザインに関わる仕事をしたいと考えていましたか?
絵を描くことはものすごく大好きで、小さいときから気が付くといつも絵を描いていました。文章よりも絵をかくことの方が多かったです。子供の頃からデザインに関わる仕事をすることを夢見ていました。
Q 毎日リバティを身に着けていますか?
基本的には身に着けるようにしています。着ることですごくハッピーになるし、他の人が着ているのを見るのもすごく嬉しいです。ただ、デザイナーという仕事柄、色を考えるときがあるのですが、自分の身に色々な色が入っているとコンセプトを考える妨げになるので、そういうときは黒や白などの無地を身に着けるようにしています。
Q 自分以外の方のデザインも着られるのでしょうか?
もちろん自分以外の方がデザインされた柄も着ます。今日私が来ている19SSの柄も同じデザインチームで働いている方のデザインなんですよ。
Q ご自分でどこまで作品を作られたりするのでしょうか?
入社当初はワンピースやTシャツ 、ジャンパーを作っていましたが、最近は忙しくて作れていないので、時間を見つけて作りたいですね。
Q 1番好きなリバティの柄は?自分の柄から1つ、他の方から1つ教えてください。
1番はエデナムが好きです。なぜかというと、季節を問わず流行に流されない存在感のあるデザインだからです。自分でデザインしたものについては2019SSのスプリングオーチャードが好きです。あとはまだ発売前ですが、2019AWのネオンサファリが大のお気に入りです。
エデナムってどんな柄?
( PE / LTE / LE / UE / LHE )
スプリングオーチャードってどんな柄?
( 19AT / 19BT / 19CT )
質問の回答からはフィオンさんの人となりや仕事に真摯に取り組み姿勢が垣間見え、より魅力的な部分を知ることができたのではないかと思います。
最後にリバティジャパンの日溪様より直近のコレクションの販売状況やこれからのコレクションについての告知を行ってイベントは終了しました。こちらも詳細は来ていただいた方だけの秘密とさせていただきますが、直近では下記のコレクションを販売予定ですので、皆様お楽しみに。
・ボタニカルコレクション 5月初旬頃発売予定
・ハローキティメルシー限定復刻 5月中旬頃発売予定
・2019AWコレクション 7月1日発売予定
店頭ではいつもお世話になっている神谷牧さんのがま口ケースの販売や、御朱印帳の販売も行いました。これらは店舗およびオンラインショップで販売しておりますので、またお立ち寄りの際にぜひご覧ください。
神谷牧さんのブログはこちら(https://ameblo.jp/annduarti/)
イベン終了後は、フィオンさんとフリートークを楽しんだり、写真を撮影されたりして、皆様思い思いに楽しまれていました。フィオンさんがデザインされた柄のお洋服をお召しになられている方もたくさんいらっしゃり、フィオンさんもとても喜ばれていたように思います。このような機会をいただけて、メルシーとしては本当に感謝感激でございました。また機会があれば開催したいと思っていますので、皆様これからもメルシーをどうぞよろしくお願いいたします。
「フィオン・グリフィス」さんの来日記念イベントの際に特別に作られた生地を、好評につきオンラインショップでも特別に販売させていただくこととなりました。下記よりぜひこの機会にお買い求めください!