「両の眼を炯々と燃やしたるジャバウォック、
そよそよとタルジイの森移ろい抜けて、
怒めきずりつつもそこに迫り来たらん」
ケントの森の写真をもとに、タルジーの森の木々の質感を表現した柄です。ディズニー映画ではタルジーの森の「タルジー」は特定の森を指していますが、本の中ではこの「タルジー」という言葉は森を描写する形容詞として使われています。
「…白ウサギがもどってくるのです。はなやかにめかしこんで、片手に白い子ヤギ革の手ぶくろを持ち、片手に大きな扇子を持っていました。」
1972年にリバティが入手したペイズリー風の扇子の柄をもとにデザインされました。扇子の形をした飾りが不思議の国を旅するアリスを連想させます。
「『タマゴみたいって申し上げただけです。』アリスはことば丁寧に、『タマゴって、とってもきれいなのがあるでしょ』と、ほめことばのつもりだったことにしようとしました。」
ハンプティ・ダンプティをヒントに、それに古典的なロシアのエッグジュエリーのような装飾を加えた柄です。
「ああ、そうか、とアリスは気づきました。『それでこんなにたくさんのお茶の用意がしてあるの?』アリスはたずねました。
『そう、そうなんだよ』と、帽子屋はため息をついて言いました。『いつもお茶の時間だから…』」
お茶会に必要な食器の全てが揃ったこのデザインは白と黒で手書きされ、その後反転させてはじけるようなポップな色を加えました。
「『党大会レースってなあに?』とアリスは聞きました。とくに知りたかったわけではないのですが…」
まるで党大会で動物や植物たちが布の上を縦横無尽に走り回っている様子を手書きしたようなカンバセーショナルな柄で、タマラ・ドゥ・ペオンによるものです。
「今朝起きたときは、いつものわたしだったかな?なんかちょっとちがい感じがしたような気もするんだけど。でも、ちがっていたとしたら、『いったい全体、わたしってだれ?』ってことになるわ。ああ、それって大問題!」
物語に登場する素敵なキャラクターたちをイラストで表現しました。柄の構成は、チャールズ・ヴォイジーによる『不思議の国のアリス』のモダンな解釈となりました。
「しかし、やがてわかりました―アリスは三メートルもの身長があったときに自分が流した涙の池につかっていたのです。」
水彩の総柄で、色が層になって上に重なっていきます。この柄は1957年のリバティのマートン・アビー工場で使われていた版をもとにしています。
「アリスはしばらく、しげしげとキノコを見つめました。」
アーカイヴに収められていた1980年代の花柄をヒントにしたもので、隠れていたキノコたちが花々の間から忍び出てきます。
「『どうか教えていただけますか。』アリスは、少しおずおずと言いました。『どうしてそのバラをぬっているんですか?』」
アーカイヴに収められていた19世紀の本の中にあった花のスプレー用の版をもとにした柄です。デビット・オースティン・ローズのバラをリピート柄に手書きし、色付けしたものです。