当時ドレスを作るための素材として一般的だったのが豪華なシルクや麻やウールでした。無地の生地も人気はありましたが当時デザイナーたちが巧みに使いこなしていたのが、様式化された花やつる科の植物や幾何学模様などをあしらった総柄の布です。より大きな総柄のものはブロケードに織られました。
デザインは、この時代の油絵や、フレスコ画、装飾写本などの中の衣装の飾りからインスピレーションを得ています。
15世紀の油絵に描かれた衣装を飾る美しい金のトリミングから着想を得たものです。トリミングの一つ一つが異なる模様や大きさで描かれています。この多種多様なトリミングを、その細部まで表現できるようにストライプ柄にまとめました。
フィレンツェのアカデミア美術館で見つけた祭壇の飾りをヒントにしています。これは、「金の君主たち」(当時権力を握っていた富裕層)からの依頼を受けてつくられたものでした。
この柄は、デザイン史の中で「アーツ・アンド・クラフツ」運動がいかにこの時代からインスピレーションを得ていたかを、そして衣服の歴史を通していかに動植物の柄に人気があったかを表しています。
1459年から1461年にかけ描かれた有名なイタリアのフレスコ画「メイガス・バルタザールの行進」の中で描かれている人物の衣装からヒントを得ています。この絵はフィレンツェのパラッツィオ・メディチに飾られています。この柄は、フレスコ画の中の一人の男性が着ているローブからとったもので、フェルト・ペンとグワッシュを使って制作されました。
15世紀フィレンツェのバルトロメオ・ディ・フルオジーノのフレスコ画が時代とともに剥離していることからヒントを得ました。年月を経て絵画が層に重なるような効果を出すために、紙にローラーを使って油性のインクを乗せて制作されました。
15世紀の装飾写本に描かれているエンジェルの羽をもとにした柄です。写本に描かれた衣装の小さな幾何学柄で様式化された羽を飾りました。この柄は手描きした後にモノクロでプリントし、色を加えました。