「触覚」を代表する人物として、人の身体に触れながら創作を行うアーティスト以上に相応しい人はいません。ヴェローナで生まれ育ったモー・コッポレッタ(Mo Coppoletta)は若い頃から宗教芸術や装飾美術に心酔していました。27歳の時に彼はタトゥー・アーティストとしての道を歩み始め、今ではロンドンのエクスマウス・マーケットで「ザ・ファミリー・ビジネス」を経営しています。ユニークでエキゾチックなタトゥーで世界的名声を博しているばかりでなく、彼は著名な芸術家やブランドのダミアン・ハーストやザ・プロディジーやロメーン・ジェロームとのコラボレーションを通しても有名です。
デイドリームはモーがウィリアム・モリスやアーツ・アンド・クラフツ運動に着目し、手描きされたデザインです。彼のお気に入りでもあるウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動は、リバティに最も影響を与え、象徴するスタイルとしても知られています。リバティはアーツ・アンド・クラフツのビジュアル情報のまさにメッカであることからも彼がそう考えるのも当然かもしれません。東洋的伝統で「花の王様」として健康、富と知恵をもたらす豊かさと名誉を象徴するとして知られているボタンの花が選ばれました。
モーは昔から子どもの童話やそこにでてくる邪悪な魔法に魅了されてきたことから、リバティの象徴であるピーコックを色々な種類の鳥で表現しようと考えました。彼は1920年代のリバティ・アーカイヴのプリントからヒントをとり、鳥には真珠の首飾りやアール・デコのブローチを飾り、周囲にはトンボをあしらい、深みのある色地にシュールレアリズム的な柄を生み出しました。
モーは、リバティのためにデザインする最初の柄として一目でリバティと分かる有名なピーコック・フェザーをさらに追求し、新解釈を加えた柄を作り上げました。彼にとってリバティは20世紀初頭の伝統が深く根付いた英国スタイルの典型と映っているのです。
リバティのデザイン・スタジオのデザイナー全員の指紋から成る中間色的にまとめた総柄で まさにリバティのタッチ「触覚」です。このデザインは手描きをしてトレーシング・ペーパーに写され色づけされました。人間の指先の一本一本にはそれぞれ100以上の受容体があります。