1860年代後半にウィリアム・モリスが書いた『地上の楽園』は、24篇の物語からなる詩集で、各月ごとに2篇が書かれていますが、その中にはアイスランドを起源とする詩も含まれています。モリスはこの詩を書いたこともあってか、その直後にアイスランドを訪れています。アイスランドでの体験はモリスにとって生涯にわたり新たな刺激となりました。
モリスの冒険の旅に触発され、リバティ・チームも自らの『地上の楽園』を求めて、五感を探求するアイスランドの旅へ出発しました。「冒険心」や「不思議な驚き」はまさにアイスランドそのものといった感覚でしたが、私たちをとりわけアイスランドに惹きつけたのは五感の中でも最も複雑であるとされる「視覚」、「百聞は一見に如かず」でした。モリスが書いた『初めてみるアイスランド』には荒涼とした北欧の風景に対する感動や畏敬の念が表れています。「視覚」をヒントにして生まれた柄に相応しいタイトルとなりました。
アイスランドは北欧にある4万平方マイル(102 平方キロ)の小さな国で、人口は僅か32万人です。アイスランドは地質学的にも未だに活動を続けており、活火山も多く、山や氷河に覆われていながらも、周囲を流れるメキシコ湾流により寒さはそれほど厳しくありません。
アイスランド南部の風光明媚な場所に拠点をおき、私たちはアイスランド仕様のジープに乗り込み、氷河、山岳地帯、滝、火山、歴史的廃墟、間欠泉、夕日、雪に覆われた森林地帯、北欧のハムレット、アイスランド馬の草原を体験することができました。車窓から見る景色はドラマチックに刻々と変化していきました。